コンサルティング企業の新規AIプロダクト部門では、国内のマーケティングチームは他業務と兼務する3名のみで、開発はベトナムの外部チームに委託している状況でした。HubSpotは導入済みでしたが、「誰に・何を・どう売るか」というGTM方針が組織内で合意されておらず、MAはメール配信のみで稼働していました。リードは集まりますが、どのリードが商談に近いのかが分からず、営業への引き渡しも不定期でした。

GTM設計とプロダクト利用データとMAの連携基盤を構築したことで、2ヶ月で組織全体のGTM方針を合意し、3名の兼務チームでも継続運用できる収益エンジンを確立しました。MAの機能を広げたのではなく、「誰に・何のタイミングで・何を届けるか」の設計を作ったことで変わりました。

あなたの組織は大丈夫か——5つの確認項目

  1. MAで送っているメールのほとんどが「全員への一斉配信」になっている

    セグメントや行動トリガーではなく、リスト全体に同じメールを配信している場合、MAはメール配信ツールとして機能しています。

  2. 「商談化率」を改善する施策がMAで設計されていない

    MAのKPIが「開封率」「クリック率」に止まり、商談化や受注との接続が測定されていない場合、MAが収益に接続されていません。

  3. リードスコアリングが存在しない、または設定したまま機能していない

    「どの行動をしたリードが商談に近いか」のスコアリングが設計されていない場合、優先度の判断が担当者の感覚に依存しています。

  4. MAのデータがSFAの商談パイプラインに反映されていない

    MAでリードが動いても、その情報が営業の商談管理ツールに渡らない場合、マーケティングの成果が商談として認識されません。

  5. 「どの施策が商談を作ったか」がレポートできない

    先月打った施策が何件の商談につながったかを即答できない場合、施策と収益のデータが断絶しています。

3つ以上当てはまる場合、問題はMAの機能不足ではありません。「誰に・何のタイミングで・何を届けるか」の設計が存在していないことが本質です。

MAが商談化率を改善しない3つのパターン

  1. MAがコンテンツ配信ツールになっている

    MAを導入した後、「メルマガ配信」「ダウンロードコンテンツの送付」のみに活用し、行動トリガーやスコアリングを設計しないまま運用が始まると、MAは施策実行の自動化ではなく配信の効率化ツールになります。前述のAIプロダクト部門では、GTMを設計する前にMAが稼働していたため、送るコンテンツは存在してもそれが誰の・どのフェーズの行動に接続されているか不明でした。配信の前に、「誰が・何をしたタイミングで・何を受け取るべきか」を設計することが先です。

    判断基準:「最後に設定したワークフローは何のために作りましたか」と問うたとき、商談化との接続を説明できるかどうかで確認できます。

  2. スコアリングがなく、優先リードと非優先リードが区別されない

    リードが蓄積しても、「今すぐ営業が話すべきリード」と「まだナーチャリング段階のリード」が同列で扱われている場合、営業リソースが分散します。前述の部門では、プロダクト利用データとHubSpotを連携することで、「試用を開始した」「特定機能を複数回使用した」などのシグナルをスコアに変換し、営業通知のトリガーを設計しました。行動の質によって優先度を変える仕組みが、商談化率改善の実効性を持ちます。

    判断基準:「直近の受注顧客は、引き渡し前にMAでどんな行動をしていましたか」と問うたとき、具体的な行動パターンを答えられるかどうかで確認できます。

  3. MAと商談パイプラインが接続されていない

    MAがメール配信・スコアリングまで機能していても、その情報がSFAの商談パイプラインに渡らなければ、マーケティングの成果は営業に見えません。施策と商談の因果関係も測定できません。前述の部門では、HubSpotのMAとCRMを同一プラットフォームで設計し、リードの行動履歴・スコア・担当施策が商談レコードに紐づく構造を構築しました。3名でも運用できたのは、MA→CRM→商談の情報移動が自動化されていたためです。

    判断基準:「この商談のリードは、最初にどの施策で獲得されましたか」をSFAで確認できるかどうかで確認できます。

設計を変えた後に何が起きたか

前述のAIプロダクト部門では、MAの機能を増やすのではなく、「GTM設計・スコアリング・MA→CRM自動連携」を一体で構築しました。その結果、以下の変化が起きました。

  1. 2ヶ月で組織全体のGTM方針を合意

    「誰に・何を・どう売るか」がドキュメント化され、プロダクト・マーケティング・営業が同じ方針で動ける状態が整いました。

  2. プロダクト利用データと連動した商談化トリガーを確立

    試用段階の顧客の行動がスコアリングに反映され、「今話すべきリード」が自動で営業に通知されるようになりました。

  3. 3名兼務チームでも継続運用できる収益エンジンを構築

    自動化ワークフローにより、人手を増やさずに施策実行・リード管理・商談引き渡しを維持できる体制が整いました。

MAの機能を広げたのではなく、「誰に・何のタイミングで」の設計を作ったことで変わりました。

今週から始められる3つのアクション

  1. 直近6ヶ月の受注案件について、「MAでの最後の行動」を書き出す

    受注した顧客がMAでどんな行動をしていたかを確認します。「特定ページを訪問した」「ある資料をダウンロードした」などの共通パターンが、スコアリング設計の起点になります。

  2. MAのワークフローを「配信型」と「トリガー型」に分類する

    稼働中のすべてのワークフローを書き出し、「特定の行動に反応して動くもの」と「定期的に一斉送信するもの」に分けます。トリガー型が少ない場合、MAが配信ツールになっています。

  3. 「商談になったリード」のスコアを過去データで確認する

    スコアリングを設定している場合、商談化したリードの引き渡し時のスコアを確認します。設定していない場合は、「商談になったリードに共通する行動」を1つ選んでスコアを付けることから始めます。

まとめ:MAの問題は「設定」より「設計」

MAを導入しても商談化率が改善しない原因は、MAの機能不足でも設定の問題でもありません。「MAがコンテンツ配信ツールになっていること」「スコアリングによる優先度設計がないこと」「MAと商談パイプラインが接続されていないこと」が構造的な原因です。

AIプロダクト部門の事例が示すように、2ヶ月でのGTM合意・3名での収益エンジン運用を実現したのは、GTM設計とMA自動化を一体で構築したためです。「誰に・何のタイミングで・何を届けるか」の設計が、MAを商談化エンジンに変える第一歩です。

MAを「配信ツール」から「商談化エンジン」に設計し直す

ConsilegyはGTM設計・リードスコアリング・MA×CRM自動連携まで、マーケティング自動化の収益接続を支援します。まずは「どの施策が商談を作っているか」を整理するところから始めましょう。

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