国内トップクラスのDX支援を手がけるコンサルティング企業(従業員約150名)では、HubSpot・Salesforce・Sansan・GA4を並行して使っていました。しかし「今月の受注額」をそれぞれのシステムで確認すると、数字が一致しない。どれを信じるか確認する作業が毎月の会議で発生していました。

原因はツールの性能ではありませんでした。どのシステムを「正」とするか、誰がどのルールで更新するかが設計されていなかったことが本質でした。連携を再設計した結果、分析工数を約30%削減し、顧客行動の100%可視化を実現しました。

あなたの組織は大丈夫か——5つの確認項目

  1. 同じ月の受注額がSalesforceとHubSpotで食い違う

    どちらが正しいか確認する作業が毎月発生していませんか。

  2. 同じ顧客が複数のシステムに別々の情報で登録されている

    HubSpotはメールアドレス基準、Salesforceは会社名基準で管理していると、同じ会社が複数登録され名寄せされないまま情報が分断されます。

  3. 「どちらのシステムが更新元か」が担当者によって認識が違う

    Sansanで更新した名刺情報がHubSpotに反映されていない、あるいはHubSpotで変更した内容がSalesforceに上書きされるといった状態が起きていませんか。

  4. 連携しているのに数字が信用されていない

    「連携はしているけどExcelで確認する」という運用が残っている場合、連携ルールの設計に問題があります。

  5. 施策とSalesforce商談が結びついていない

    HubSpotの施策がどの商談・受注に貢献したか分からない場合、マーケティング投資の判断根拠が存在しないことになります。

3つ以上当てはまる場合、問題はツールではなく「どのデータを、何の定義で、どのシステムを正として扱うか」が設計されていないことです。

数字がズレる3つのパターン

  1. どのシステムを「正」とするか決まっていない

    HubSpotはマーケティング視点でリード・MQL・行動データを管理し、Salesforceは営業視点で商談・受注・売上を管理します。この2つが並走するとき、受注額・商談数・顧客数のどれについても「どちらを信じるか」が組織内で合意されていなければ、数字は必ずズレます。

    判断基準:「受注額の正システムはどちらですか」と各部門に聞いて、答えが揃わなければ「正」は決まっていません。

  2. 同期ルールが担当者の記憶にしかない

    「SansanからHubSpotへ名刺情報を連携する」「HubSpotからSalesforceへMQLが渡ったら商談を作る」——これらのルールが文書化されていない場合、担当者が変わるたびに連携の動きが変わります。前述のコンサルティング企業でも、ワークフローがブラックボックス化し、変更に「高いリスクと工数が発生する」状態が続いていました。

    判断基準:「現在の連携ルールを説明してください」と言われて、即座に1枚の図を出せない場合、ルールは文書化されていません。

  3. 「顧客」の定義がシステムごとに違う

    HubSpotでは担当者個人が「コンタクト」として管理され、Salesforceでは会社が「アカウント」として管理されます。Sansanでは名刺単位で登録されます。この3つをつなぐ「同一顧客の判定ルール」がなければ、LTV・顧客数・接点回数はシステムごとに違う値になります。

    判断基準:同じ会社の担当者が3人いるとき、HubSpot・Salesforce・Sansanそれぞれで何件として数えられているか、即答できれば設計されています。

再設計後に何が変わったか

前述のコンサルティング企業では、Salesforce・Sansan・GA4とHubSpotの連携を再設計したことで、以下の変化が起きました。

  1. 分析工数を約30%削減

    自動化ロジックをシンプルに再設計し、「どのシステムで何を見るか」が明確になったことで、データ確認・集計作業が大幅に減りました。

  2. 顧客行動の100%可視化を実現

    Web・MA・CRMが一本化され、SansanからGA4まで、顧客のすべての接点が一つの流れで把握できるようになりました。

  3. 不整合のないデータ循環を確立

    Sansanの接点情報からSalesforceの商談データまで、どのデータがどのシステムに流れるかが設計されたことで、「どちらが正か」という議論がなくなりました。

連携ツールを追加する前に、「何を正とするか」の設計が必要です。設計のない連携は、問題を隠すのではなく増幅させます。

まず3日でできること

  1. 「正システム」を決める表を1枚作る

    受注額・顧客数・MQL数・商談数——それぞれについて「どのシステムを正として参照するか」を1枚のスプレッドシートに書き出します。合意できない項目があれば、それが現在の最大のズレポイントです。

  2. 現在の同期ルールを1枚の図に描く

    HubSpot→Salesforce、Sansan→HubSpot、GA4→HubSpotのデータフローを矢印で描きます。描けない、または描いてみたら複数の人が違う図を描いた場合、同期ルールは設計されていません。

  3. 「先週データが食い違っていた事例」を1件共有する

    次の週次MTGで「先週、システム間でデータが食い違った事例を1件持ち寄る」議題を入れます。事例が1件でも出れば、そこから設計の優先順位を決められます。

まとめ:数字ズレは構造の問題

SalesforceとHubSpotで数字がズレる原因は、ツールの性能ではありません。「どのデータを、何の定義で、どのシステムを正として扱うか」が設計されていないことが本質です。

新しい連携ツールを追加する前に、まず「正システムの定義」と「同期ルールの文書化」を1枚ずつ作ることから始めてください。

SalesforceとHubSpotの数字ズレは、設計から整理できます。

ConsilegyはSalesforce・HubSpot・Sansan・GA4を横断した連携設計から運用定着まで、不整合のないデータ循環の構築を支援します。まずは現状のデータフローを整理するところから始めましょう。

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