カテゴリー: Webサイト分析

  • Search Consoleのエラー『項目「id」がありません』の解消方法

    Search Consoleのエラー『項目「id」がありません』の解消方法

    Search Consoleのエラーを確認していて出てくるこの解消方法、よく聞かれるのでまとめました。

    たまに見かけるエラーが出ています。『項目「id」がありません』。これの対処方法ですが、大体はhttps://schema.org/BreadcrumbList記載のタグとの差分を確認することで解決します。

    このサイトはMicrodataのマークアップを使用しているので、その部分を確認。

    これが例です。

    <li itemprop="itemListElement" itemscope itemtype="http://schema.org/ListItem">
    <a itemscope itemtype="http://schema.org/Thing" itemprop="item" href="/">
    <span itemprop="name">ホーム</span></a>
    <meta itemprop="position" content="1"></li>
    

    こちらが現在のマークアップ。<li>タグの中身を確認すると、<a>タグの中にitemscope itemtype=”http://schema.org/Thing” というデータが入っていました。こちらを削除してもらったところ、問題は解消しました。

  • Microsoft Clarityの個人情報マスキング機能

    Microsoft Clarityの個人情報マスキング機能

    Microsoft Clarityを使用する際、お客様の個人情報が見えてしまうとまずいシーンは結構あると思います。

    個人情報は取り扱い要注意情報です。個人情報が見えてしまうだけでメンバー管理が煩雑になったり、分析データを気軽に共有できなくなったり、さまざまな問題が発生します。

    Microsoft Clarityには便利な機能があり、CSSのセレクターで個人情報をマスキングできるというものです。マスキングを設定すると当該情報は非公開となり、Clarityにアップロードされないようになります。

    デフォルトの状態でも入力ボックスの内容や電話番号、メールアドレスは隠されますが、社内のレギュレーションやhtmlの内容によっては項目の追加が必要な場合もあるでしょう。

    今回はMicrosoft Clatiryのマスキングの仕方をメモします。すっごい簡単です。セキュリティ固い大企業でも承認が通りやすいMicrosoftのツールでここまで簡単だと感慨無量ですね。ありがとう。

    マスキング基本設定

    まずMicrosoft Clarityの管理画面でSettings > Maskingを選択します。

    マスキングモードには3種類あります。

    • Strict:全てのテキストがマスキングされる
    • Balanced:取り扱いに注意が必要なテキストのみマスキング
    • Relaxed:マスキングなし

    デフォルトでは「Balanced」になっています。

    「Strict」に設定して全てのテキストがマスキングされてしまうと、どれがどのページだかいまいちわからないし、「Balanced」では不安…という方は次のCSSセレクタによるマスキングを追加しましょう。

    CSSセレクタによる追加の設定

    追加の設定は「Masking」メニュー内最下部の「Add element」から行います。

    「Add element」クリックするとこのようなモーダルが開くので、CSSセレクタを入力します。

    CSSセレクタとは、CSSでスタイルを設定するための識別名です。

    例えば、<div class=”name”>お名前</div>というhtmlコードがあったら、.nameがCSSセレクタになりますので、「.name」と入力し、「Add」をクリックします。

    指定方法にはいろいろな種類があります。以下一覧です(内容の項目はマスキング用に変えていますが、要は通常のCSSクラスタ指定です)。

    種類内容
    ワイルドカードでの指定*全要素をマスキング
    タグタイプでの指定div /p / spanなど指定されたタイプをマスキング
    idでの指定#name / #container など指定されたidの要素をマスキング
    classでの指定.name / .container など指定されたclassの要素をマスキング
    属性での指定[title] / [autoplay] など指定されたattrの要素をマスキング
    複数指定(OR指定)div,span /.container,.name など「,」で区切る指定された2つの要素をそれぞれマスキング
    親子関係div span / .container .name など半角スペースで区切る最初の要素(div)内の子要素(span)に一致する要素をマスキング
    親子関係(ネスト)ul > li など「>」で区切る最初の要素(ul)直下の指定子要素(li)に一致する要素をマスキング
    兄弟要素指定div~pなど「~」で区切る直後だけではなく、最初の要素(div)に続く要素(p)をマスキング
    隣接要素指定div+pなど「+」で区切る最初の要素(div)の直後に続く要素(p)をマスキング
    カラムcol || tdなど「||」で区切る <col>スコープ内の要素<td>をマスキング
    疑似要素a:visitedなどCSSの疑似要素指定疑似要素をマスキング
    疑似要素a::first-childなどCSSの疑似要素指定疑似要素をマスキング

    汎用性の高いCSSセレクタ(例えば<p class=”title”></p>など多くの場所で使われるものや、Bootstrapコーディングの使用時)を設定すると、見たい情報にまで閲覧制限がかかってしまうことがあります。

    その際は複数要素で絞り込みをかけることができますね。CSSに慣れていれば詳細に絞り込むことができて、かなり便利です。

    ただ、複数クラスのAND指定、例えば<div class=”container no1″>というhtml要素のcontainer no1両方に属するもの、といった指定はできません。

    追加が完了すると「Add element」ボタンの下にCSSセレクタ名とマスキングあり、なしの設定ボタンが表示されます。該当CSSセレクタ名の横の「Mask」ボタンにチェックがついていればマスキングが設定されています。

    Webサイトのコーディング前にMicrosoft Clarityや他、こうしたマスキングが使えるツールの導入が決まっていれば、個人情報にだけCSSセレクタをつけておくのが便利かもしれません。

    その場合、CSSセレクタを一つ決めて個人情報全てに追加するという方法がおすすめ。例えば<p class=”privacy”></p>等で設定すれば、「privacy」をMicrosoft ClarityのMask by elementに追加するだけで一括でマスキングができます。

    マスキング設定時の留意事項

    マスキング設定をしてから反映されるまで、1時間ほどかかることがあります。

    また、すでに取得されたデータを修正することはできませんので、アカウントを作成してすぐなど、早めに設定しておくことをおすすめします。

  • Microsoft ClarityをGTMに設定する方法

    Microsoft ClarityをGTMに設定する方法

    ヒートマップ大好きなんですが、最近はなかなか現場で使う機会がなく悲しいです。

    さて、ヒートマップでは主にhotjarを使ってきました私ですが、Microsoft Clarityの機能追加が著しく、最近とても良い感じですね。正直乗り換え候補として有力すぎます。

    新規のご提案ではhotjarよりClarityをおすすめしてしまうかも。現在のところ無料というのもかなり魅力的です。導入ハードルがグッと下がりますからね。

    今回はMicrosoft Clarityのアカウントを作ってGTMに挿入する方法をメモします。

    以前まで日本語版の提供がなかったため、英語版で使っているのですが、日本語版もあります。いつ追加されたのでしょう。まったく気づきませんでした。

    アカウント・プロジェクト作成

    まずはMicrosoft Clarityのトップページhttp://clarity.microsoft.comにアクセス。

    アカウント作成からなので右上の「Sign up」をクリックします。

    Microsoftアカウント、Facebookアカウント、Googleアカウントのいずれかを選んでサインアップ。私は大体安定のGoogleアカウントを使います。

    表示された手順に沿って登録します。既存の内部あるいは外部アカウントにログインするだけですのでかなり簡単です。

    登録が完了するとマイページのMy Projects画面に遷移します。「Add new project」からプロジェクトを追加しましょう。

    1サイトにつき1プロジェクトです。

    Webサイトの名前とURLを入力。URLはhttps://を除いた値(https://consilegy.com なら seikoyamaguchi.com )を入力します。

    サイトカテゴリをE-Commerce, SaaS, Blog, Marketing, Conslting, Media, Education, Community, Non-profit, Otherの10種類から選びます。

    名前とサイトカテゴリは後から変更できますが、URLは変更できません。URLの変更を行う場合は新たにプロジェクトを作り直す形になりますので、ご注意ください。

    以前は名前とサイトカテゴリも変更できなかった(ような気がする)のですが、変更できるようになったので、そのうちURLの変更も可能になるかもしれませんね。

    トラッキングコードをGTMに追加

    Microsoft Clarity管理画面でトラッキングコードを発行

    管理画面からSettings > Setupを選択します。

    もう見えているのですが、中腹にトラッキングコードがあります。

    Copy to clipboardをクリックしてコピー。

    なお、下部にある「Masking settings」ボタンからできるマスキング設定は、この時点で確認しておくと後々のリスクを回避できる可能性が高いです。

    詳細はこちらの記事「Microsoft Clarityの個人情報マスキング機能」をご覧ください。

    GTMにClarityのトラッキングコードを追加

    GTMに移動します。

    左メニューのタグを選択し、「新規」ボタンをクリックします。

    上段の「タグの設定」をクリックすると「タグタイプを選択」が表示されるので、「カスタムHTML」をクリックします。

    名前を入力し、HTML欄に先ほどMicrosoft Clarity管理画面上でコピーしたコードをペーストします。

    トリガーを設定して保存をクリック。

    あとはプレビューしたのち公開して完了です。2時間ほどでデータが管理画面に反映されます。

    分析するサイトを増やす場合は同様に、Microsoft Clarity管理画面のMy ProjectsからAdd projectをして追加してください。

  • GA4でのIPアドレス除外設定

    GA4でのIPアドレス除外設定

    Google Analyticsのレポートに自社や関連企業のトラフィックを含めたくない場合、IPアドレスの除外設定を行います。

    ユニバーサルアナリティクスからGA4になり、IPアドレスの除外設定が大きく変わりました。

    複数のIPアドレスの除外については、かなりやりやすくなっています。

    ユニバーサルアナリティクスでのIPアドレス除外設定

    GA4でのIPアドレスの除外設定方法

    1. ①管理 > プロパティ内 データストリーム > 該当するデータストリームを選択
    Google Analytics GA4のIPアドレス除外設定①管理 > プロパティ内 データストリーム > 該当するデータストリームを選択

    ②ウェブストリームの詳細内、最下部にある「タグ付けの詳細設定」を選択

    Google Analytics GA4のIPアドレス除外設定②ウェブストリームの詳細内、最下部にある「タグ付けの詳細設定」を選択

    ③タグ付けの詳細設定内「内部トラフィックの定義」を選択

    Google Analytics GA4のIPアドレス除外設定③タグ付けの詳細設定内「内部トラフィックの定義」を選択

    ④内部トラフィックルール一覧が表示されます。

    作成」をクリック

    Google Analytics GA4のIPアドレス除外設定④内部トラフィックルール作成

    ⑤以下内容を入力し、最後に「作成」をクリック

    Google Analytics GA4のIPアドレス除外設定⑤設定内容を入力し、最後に「作成」をクリック

    ルール名:識別しやすい名称

    まとめて「IPアドレス除外」等でもいいですが、本社IP、○○社IPなど、企業ごとにルールを分けても管理しやすいですね。

    traffic_type:デフォルトでinternal(内部)が入力されているのでそのまま

    IPアドレス欄:マッチタイプは「IPアドレスが次と等しい」、値にはIPアドレスを1つ入力

    最後に右上の「作成」をクリックするのを忘れないでください。

    ちなみに、IPアドレス欄にある「IPアドレスを確認」リンクをクリックすると、Google検索が開いて自分の現在のIPアドレスを検索・表示してくれます。

    IPアドレス検索 What is my ip

    ⑥管理画面に戻り、プロパティ内 データ収集 > データフィルタを選択し、3点リーダをクリック

    ⑦「フィルタを有効にする」を選択

    Google Analytics GA4のIPアドレス除外設定⑥管理画面に戻り、プロパティ内 データ収集 > データフィルタを選択し、3点リーダをクリック⑦「フィルタを有効にする」を選択

    ユニバーサルアナリティクスでは作成したら完了だったのですが、GA4はデータフィルタを有効にしないと設定が適用されません。ご注意ください。

    複数のIPアドレスを除外する場合

    Google Analytics GA4のIPアドレス除外設定 複数のIPアドレスを除外する場合

    「内部トラフィックルールの作成」画面でIPアドレス欄一番下の「条件を追加」をクリックすると、IPアドレスを入力できる欄が増えます。

    設定は10個までです。この数を超える場合は新しくルールを作成する必要がありますね。

    設定が完了したら、該当するIPアドレスでWebサイトにアクセスし、除外されているかどうか確認してください。

    ユニバーサルアナリティクスでのIPアドレス除外設定方法はこちら

  • WordPressで簡単に画像をWebPに変換するプラグインEWWW Image Optimizerを試した

    WordPressで簡単に画像をWebPに変換するプラグインEWWW Image Optimizerを試した

    ページの表示速度は検索エンジンに表示されるランキングに影響があります[*1]。

    また、AIを用いた研究[*2]では、ページの読み込み速度によって直帰率が以下のように変動するそうです。

    • 読み込み時間1〜3秒 直帰率32%増加
    • 読み込み時間1〜5秒 直帰率90%増加
    • 読み込み時間1〜6秒 直帰率106%増加
    • 読み込み時間1〜10秒 直帰率123%増加

    ブラウジングしていても、表示速度の遅いサイトは閲覧する気がそがれてしまいますよね。

    他のサイトに移る時間のほうが長いとしても、目の前の時間の損失を防ぎたくなります。Webサイトの表示速度は速いに越したことがないわけです。

    そこでGoogleが推奨しているのが「WebP」画像形式。ウェッピーと呼ばれています。開発もGoogleです。

    WebPは2021年8月現在、IE以外の主要ブラウザ(Chrome, Firefox, Edge, 一部Safari)にも対応[*3]しています。

    WebP
    主要ブラウザのWebPサポート https://caniuse.com/webp 

    Webサイトで使われるメインの画像形式はpngとjpg(たまにgif)です。重さは画像の種類や色数によって異なりますが、jpgは背景透過ができないためにpngを使用するシーンも多いです。しかしWebPはjpgと違い背景透過が可能です。

    Googleによると、ほぼ同等の画質でPNGよりも26%、 JPGより25〜34%軽くなるそう[*4]。Webサイトの画像全てをWebPにするわけにはいきませんが、可能な限りWebP形式にすることでページスピードがアップする可能性が高いです。

    WordPressでは5.8バージョンからWebPがサポートされており[*5]、WebP画像を他の画像と同じようにアップロードできます。

    ただ、2021年8月現在、100%中4.36%のユーザーには対応していません[*3]ので、Webサイトを訪れるユーザーがこれに含まれるであろう場合は、対応ブラウザではWebP表示、非対応ブラウザではjpg or png表示という設定をおすすめします。

    WordPressで画像をWebPに変換する

    これにはCDNを利用する、<picture>タグを利用する、.htaccessにリライトルールを追記するなどの方法がありますが、もっとも簡単なのがやはりプラグインです。すでにインストールしているプラグインが多量でなければプラグイン対応で良いと思います。

    EWWW Image Optimizerをインストール

    EWWW Image Optimizerは画像最適化で有名なWordPress公式に登録されているプラグインです。これを使用してどれだけページスピードのスコアが上がるのか見てみます。

    EWWW Image Optimizer

    プラグインを有効化してWebP関連の設定をします。

    方法は.htaccessへのリライトルール追記になります。

    設定>EWWW Image Optimizer>「基本」タブの下部に「WebPの配信方法」というブロックがあるので、「リライトルールを挿入する」をクリック。

    EWWW Image Optimizer

    すると.htaccessに#BEGIN EWWWIO〜#END EWWWIOというリライトルールが追記されます。中身は上図のコードです。

    次に既存の画像を一括最適化します。設定>EWWW Image Optimizer>「基本」タブの上部に下図の表示が出ているはずです。

    EWWW Image Optimizer

    一括最適化をクリック。

    EWWW Image Optimizer

    WebPのみにチェックを入れて最適化しました。

    WebP変換前のページスピード

    ページスピードの変換前の値は、

    PageSpeed Insights(モバイル)だと65。

    PageSpeed Insights(モバイル)

    指摘されています。

    GTmetrixではE。

    GTmetrix

    厳しい数字ですね。これがどれだけアップするのか…

    WebP変換後のページスピード

    PageSpeed Insights(モバイル)は65→70に。

    PageSpeed Insights(モバイル)

    GTmetrixではグレードはEのままですが、パフォーマンスが38%→45%、LCP(もっとも大きな画像やコンテンツのブロックが表示される時間)が5.3秒→4.0秒に短縮されました。

    GTmetrix

    これだけページスピードが改善するのはありがたいですね。

    *1 Google ウェブマスター向け公式ブログ [JA] : ページの読み込み速度をモバイル検索のランキング要素に使用します

    *2 New Industry Benchmarks for Mobile Page Speed – Think With Google

    *3 WebP image format | Can I use… Support tables for HTML5, CSS3, etc

    *4 An image format for the Web

    *5 WordPress 5.8 adds WebP support

  • Googleのツールをまとめて設定!プラグインSite Kit by Googleとは

    Googleのツールをまとめて設定!プラグインSite Kit by Googleとは

    Webサイトを立ち上げる時、最低でもGoogle アナリティクスとSearch Consoleを設定して、タグ一括管理したければGTMを入れて…という作業が必要になってきます。

    これだけならGoogle アナリティクスor GTMのスニペットをWebサイトに追加して、Search Consoleと連携するだけなんですが…

    リニューアルの時にはGoogle アナリティクス or GTMのスニペットの追加を確認しなければいけないし、ちょっと面倒な部分があります。

    頻繁にリニューアルサイトとか、WordPressのテーマをちょくちょく変えたいケースでは「この手間を減らせるのなら減らしたい」という気持ちが出てきます。

    しかしWordPressにはGoogle公式プラグインがあって、管理画面からGoogleアカウントと接続するだけで簡単に接続できるんです。

    Site Kit by Googleが便利

    インストールして対象のツールのプロパティが含まれるGoogleアカウントと接続するだけでGoogle検索関連サービスが設定でき、一括管理できるんです。

    超便利!

    プラグイン新規追加画面でSite Kit by Googleを検索するだけで出てきます。あとは管理画面に表示される手順に沿って設定するだけ。

    Search ConsoleはGoogleアカウントと接続する際に自動で設定されます。サチコ連携までがプラグインのセットアップみたいです。

    接続できるサービス

    接続対象のGoogleサービスはこちら。

    • Search Console
    • Google AdSense
    • Google アナリティクス
    • PageSpeed Insights
    • Google Tag Manager
    • Google オプティマイズ

    管理画面左メニュー > Site Kit > 設定で他のサービスと接続できます。

    すでに各ツールのプロパティが作成されている場合はセットアップをクリック→Googleアカウントと連携→権限付与→対象プロパティを選択で簡単にセットアップできます。

    超便利!ありがとうGoogle。

    メモ:Google AnalyticsとSearch Consoleは紐づけられていないのでAnalyticsから設定必要。